30歳からのカナダ・ハワイ留学

会社を辞めて留学した、渡辺真由子の日々。

カナダ東部の旅① トロント・ナイアガラ編


カナダのテレビ局「City tv」に車が突っ込む!?


せっかくカナダへ留学するのなら色々な都市を見なくてはソンだ。広大なこの国は、地域によって全く異なる表情を持つ。夏休み、私はトロント、ナイアガラ、モントリオール、そして「赤毛のアン」が生まれたプリンス・エドワード島の4ヵ所を、9日間かけて旅することにした。問題はどの交通手段を使うかである。旅人のロマンをかき立てるのはやはり、西のバンクーバーから東のトロントまでの列車による大陸横断だろう。ところがこれには3日間もかかり、しかも料金は飛行機より高く、寝台車が往復20万円以上。そんな余裕があるかと飛行機を使うことにした。それでも東端のプリンス・エドワード島バンクーバー間は実に約8時間。4ヵ所を巡る交通費は、飛行機と短距離列車の組み合わせでも往復10万円を超える。“国内”旅行にこれだけの時間とお金をかけるのは島国出身者としてフに落ちないものの、カナダの規模に免じて許すしかない。最初で最後のような気はするが。

 個人旅行なら是非ホステルに泊まりたい。あの、1部屋に2段ベッドが3つも4つも並んでいるタイプだ。たいてい鍵(持参)が掛かるロッカーが付いているので荷物の安全性に心配はないし、1泊2千円前後なのに朝食まで付いていたりする。そして醍醐味は、各国からの旅行者と出会えること。世界一周をしているひとり旅の女の子などと情報交換するのは刺激的だ。殆どが欧米人なので英語の練習にもなる。そんなわけで私はトロントでホステルを利用し、メキシコ人女性と意気投合。一緒に晩御飯を食べ、いずれお互いの地を訪れる約束を交わした。ホステルを1度体験すると、もう無機質なホテルには泊まれなくなる。

 トロント滞在中の3日間は天気が悪かったので、有名なCNタワーにすら上らず街歩きをして過ごす。人口約240万人のこの都市はカナダで最も大きいだけに、お洒落なショップやレストランがひしめき合う大都会だ。街ゆく人もファッショナブルで、バンクーバーが片田舎に思えてくるほどである。

 旅の4日目は列車に揺られること約2時間、2番目の目的地のナイアガラへ到着。目の前に広がる巨大な滝は近づくにつれ水しぶきと風がひどくなり、ついには台風の中にいるような状態になる。傘ではもはや太刀打ちできないので、レインコートが必須だ。最大の見所はテーブル・ロックから眺める、川が地響きと共に滝となって流れ落ちていく瞬間である。自分まで吸い込まれてしまいそうな迫力だ。一番ずぶ濡れになるのもここだが。この他、アメリカに留学している学生時代の先輩夫婦と落ち合い、車で1時間弱のナイアガラ・オン・ザ・レイクも訪れた。小ぢんまりした可愛らしい村で、近くにワイナリーが点在する。滝観光は半日もあれば充分なので、こちらにも足を延ばしたい。

 そして5日目夕方、寝台車に乗り込む。フランス文化の薫り高いモントリオールへと、一晩かけて向かったのだった(続く)。